愛たくて~あいたくて~
だから歩に聞いた


まぁ聞かなくても大体は想像つくけど



『あぁ俺すみれと付き合うことになった…愛ちゃんのおかげだよ』


ほらやっぱりな…



『俺は何もしてないよ…てか彼女彼氏居ないの俺だけじゃん』


なんて笑うと

『愛ちゃんならすぐできるよ』


なんて軽く言われた

『それは無理だな』


『なんでよ…めちゃくちゃモテるじゃん』


歩は笑いながら言う



『いや一人に好かれりゃそれでいい…でも叶わないから』



つい本音を言ってしまった



『愛ちゃん…』


歩は心配そうに聞く


『気にするなよ…良かったな…すみれ泣かすなよ』


そう言った



その後はあまり記憶にない



ただ歩の声を聞きながら俺は眠ってしまった




そして夢を見た



霜月を抱き締めて離さない夢を



でも夢はやっぱり夢でしかなくて




切なくなった




目を覚ますともう朝が来ていた




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