愛たくて~あいたくて~
滑り終わり興奮が収まらない俺たちは話していた



『マジですごかったな』


未菜と霜月の所に戻る


『どうだった』


霜月が聞く


『楽しかったよ』


すみれが言う


『お兄ちゃん』


急に未菜に呼ばれてびっくりした



『なんだよ…気持ちわるいな』




そう未菜が『お兄ちゃん』なんて呼ぶのは久しぶりに聞いた


いつも皆で居るときは大抵『愛ちゃん』って未菜も呼んでるから


『別に…葵ちゃん行こう』



そう言いながら霜月の手を引っ張って女性陣はプールへ


それを追うように俺らも行く



それからはバカみたいに皆で楽しく遊んだ




結局霜月の話しも聞けず


睦月や歩…すみれの言っていた意味も理解できず



未菜が何故怒ったのかもわからずに


楽しむことだけ考えた


だって霜月は本当に楽しそうに笑ってたから



彼女が笑顔で居れるなら俺はなんだって良かった





霜月の彼女の寂しそうな顔は見たくなかったから






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