愛たくて~あいたくて~
真琴先輩は笑いながら言う


『ボーカルして』



『なんで?』



すると先輩の隣に居たドラムの大和が言う



『真琴の歌には君の声が合ってるよ』



『え?』



『そう言う事…嫌か?』


先輩は俺に聞く


『いや…俺バイトあるし…』



遠慮がちに言う俺に


『愛斗は部活入ってないよな』


なんてまたまた聞かれて



『まぁ…』


弱々しく答える



そう俺は結局部活には入らず帰宅部だった



そんな俺に真琴先輩は笑いながら


『じゃあいいじゃん…俺ら皆弥生高校の軽音部だから』



弥生高校…今まさに俺が通ってる高校



『みんな弥生高校なんですか?』


俺が聞くと



『ああ』




真琴先輩は獲物を見つけて嬉しそうなそんな顔で笑ってるし


周りに居るメンバーも先輩と楽しげに話してるし



俺は頭が着いていかずただその場に立ち尽くす



皆弥生高校で…



軽音部で…



バンド組んでて…



ボーカル探してて…



一つ一つ頭を整理する





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