愛たくて~あいたくて~
そして聞かれた


『なぁ如月愛たくてってお前が作詞したらしいな』



『え…はい』



『あれ葵に歌ってるの?』



真っ直ぐに俺を見つめて言う水無月先輩


嘘は付けれないいや付いちゃいけないそう思ったから正直に返事をすることにした


『はい…俺は霜月が好きです…もちろん先輩の彼女ってこともちゃんと理解してます』



先輩は黙って聞いていた



沈黙になるのが嫌で俺は続けて話す



『それでも霜月を好きな気持ちは変わらなくて先輩と幸せならそれで良いって応援したい気持ちは本当で
でも気持ちを伝えたいって気持ちもあって…でも困らせたくなくて…』


焦りながら必死で話す俺を見て先輩は笑いながら言う



『如月…お前らマジでムカつくわ』



『え?』


先輩の『お前ら』の意味が解らなくて



『葵とはもう別れたよ…9月の中頃にな』


『え?嘘ですよね』



急に先輩が言うから信じられなくて



でも先輩は静かに話し始めた




< 95 / 306 >

この作品をシェア

pagetop