その男☆ナルシストにつき!!
「それだけ。…そうだ、マキのライブの件でね、スペシャルゲスト考えてるんだけど、なんか一般的に意外なバンドとかない?」


「はぁ…一般的ですか?」


「これといってしっくり来なくてね。宮元みたいな一般人から見て、こんなスペシャルゲストだったら聞いてみたいとかない?」


「うちの事務所の中ですよね…。」


ファイズかな?


でも、ファイズのツアーと重なってるし。


う~ん。


「オーディションにちなんで、即席新人バンドとか?」


「なにそれ?」


眉間にシワが深く入ってるし。


「新人発掘なんで、新人バンドを即席で作ってみたり。大物のコラボとか?」


「例えば?」


「アーティストではないけど、話題性だったら城金兄弟とか?曲なんか作ってる時間ないからバンドのカバー曲やらせて、その後、2人の作った曲で連ドラでも出ようものなら絶対見ますね。」


ほんの例え話のつもりだった。


「面白そうね。新しいファンも開拓できそうだし、数字も確実に取れる。話題性十分すぎるくらい。」


なにやらブツブツつぶやいてるし。


「そんな感じくらいインパクトあったら面白いですよね。」


明るく笑いながらバシバシと藤原の腕を叩いた。


「宮元も、たまにはいいこと言うわね。ありがとう。」


あたしの話なんか聞いてない。


真剣な顔をして歩いて行ってしまった。


待って!!!


まさか、例え話を真に受けた?


藤原さんの行動は早かった。

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