その男☆ナルシストにつき!!
「そうですか。てっきり断るかと…。」


「まさか。兄弟で1度くらいは何かやりたかったし。」


これじゃなくてもいいでしょ?


「でも、2人のスケジュールが…。」


なんとしてでも食い止めねば。


「何とかするって黒崎さんと藤原さんが。」


何とかしてもらっちゃ困るのよ!!


「練習時間とかね。忙しいから大変だろうし。」


「そうなんだ。」


よっしゃ~!!!


断れ!!断れ!!


なんだ、それで断るのでごめんて連絡ね。


心が軽くなった。


「でね、お願いがあるんだ。」


「はい?」


お願い?


断るのに?


「宮元さんはどんな曲が好き?沢山ありすぎて、決められなくてね。」


断るんじゃなかったの?


「いや…好きな曲って。」


携帯持つ手が汗ばんでる。


「参考になればさ。その分早く練習できるし。」


そっちかい!?


「新しいのやってもつまんないので、懐かしい解散したとかバンドの曲とか?」


もう、開き直りだった。


「わかった。ありがとう。参考にするね。」


「どういたしまして。」


電話を切った瞬間、廃人状態。


だって、本気にすると思ってないし、実現不可能だと思ってたから。


この状況で、冗談で言っただけなんて言えないし。


七瀬から連絡ないのがよけいに怖い。


関わらないようにって決めたし。


こうなったら逃げるしかない!!

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