その男☆ナルシストにつき!!
七瀬のマンションに行くと、まだ帰ってない。


合鍵で部屋に入って待ってた。


久しぶりの七瀬の部屋。


数週間前なのに、なんか懐かしかった。


いつものようにソファに座ってた。


ほんの10分ぐらいだった。


ガチャン


音がすると、誰かが入ってきた。


七瀬が帰ってきたのかと思った。


バンッ!!


勢いよく廊下のドアが開く。


ビックリするあたし。


ドアの音だけじゃない。


目の前に飛び込んできた人物。


七瀬の彼女じゃん?!


どうしよう…。


勘違いされちゃうよ。


慌てて帰ろうと立ち上がったと同時だった。


パチンッ!!


部屋中に破裂音が響いた。


あたしの左のホッペが痛い。


「やっぱりアンタだったのね!!」


あたしを殴った手を握り締めて、涙を浮かべながら彼女は大声で怒鳴った。


完全に勘違いされてるし。


「あたしは…。」


言いかけた。


「いっつもそう。アイツの浮気相手は地味なタイプだから。」


んん?


あたしが知ってる限りは、派手な感じなんだけど…。


「あの…いつもって?」


なんか、冷静になっちゃってる自分がいた。

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