その男☆ナルシストにつき!!
「これで、何十回目だか?!」


うわ~、やっぱり七瀬最低じゃん。


何回じゃなくて何十回って。


「あの、あたしは浮気相手なんかじゃなくて…。」


「今度は兄弟ぐるみでかくまってたなんて。」


話し聞いてないし。


しかも、兄弟ぐるみってなに?


そっちの根回しか!!


城金兄と親密に連絡取ってたのは。


それでホントに偶然、あたしの話が出ただけだったんだ。


なんか、そう思ったら怒りがフツフツと湧き上がってきた。


「何か勘違いしてませんか?あたしは、浮気相手なんかじゃないです。だいたい、七瀬と約束があるだけで。」


写真のことなんか言えないし。


「しらばっくれないで!!」


彼女が手を上げた瞬間。


バンッて音と同時だった。


背後からフワッとした感覚が。


そして、目の前には七瀬の顔。


「んん?」


言葉が出ない。


これは…。


この感触って…。

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