その男☆ナルシストにつき!!
なに考えてんのよ!!!


彼女の前でキスするなんて!!


彼女もあたしも固まったまま。


「これ、オレのだから。」


七瀬は平然とした顔し彼女に言ってるし。


はい??!!


「うそ…。」


彼女の目が丸くなってる。


「いやっ…あの…これは…。」


この場をどうしていいものか。


一生懸命考えるけど、オロオロするしかない。


「ごめんなさい。てっきり龍の浮気相手かと。」


彼女の言葉に2度目の衝撃。


「あれ?七瀬の彼女じゃないの?」


2人の顔を交互に指差した。


「彼女・彼女って言ってたの、莉南のことだったのか。」


「違うの?」


「違うから。まぁ、アニキの相談はいつも聞いてて、一緒にいるから勘違いしてるんだろ?」


「私こそ、勘違いしちゃってごめんなさい。てっきり、七瀬クンがかくまってるのかと思っちゃって。」


深々と頭を下げた。


「いや。あの…気にしないでください。」


もう、何がなにやら。


頭の中がグルグル回っちゃって。


それに、なんか気持ちがスッキリしてる。


七瀬に彼女がいないって分かって、どうしてスッキリするのか?


彼女を傷つけないで済んだから?


…ん?チョットおかしいぞ?


七瀬の彼女じゃなくて、城金兄の彼女ってことは…。



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