その男☆ナルシストにつき!!
「教える程のこともないです。」


半笑いしながら顔をそらして、両手で城金兄の体を押さえた。


その手を城金兄は軽く掴むと、ひとつずつ手をどけた。


もう、押し倒された状態。


覚悟を決めるしかない?


ギュッと目をつぶった。


多分、唇が微かに触れたような気がした。


バタンッ!!!!


物凄い勢いでドアが開いた。


パッとドアを見ると、息を切らせた七瀬が立ってる。


「撮影は?」


思わずあたしがビックリして声を出した。


「忘れ物!!」


そう言って、あたしの腕を引っ張った。


「忘れ物?!あたし?」


もう、何がなんだか。


ずっと頭の中がパニックしっぱなし。


「アニキ、オレの物に手を出すな!!莉南に成敗されるぞ?!」


「七瀬のタイプじゃないだろ?」


呆れた顔して腕を組んで座ってるし。


「タイプなんか超越(ちょうえつ)しちゃってるよ。」


グッとあたしの体を引き寄せた。


「ちょっと?!」


ドサクサに紛れて、腰周りに腕を回すな!!!


「ふ~ん。いつから出来ちゃってたわけ?」


「出来てません!!!」


即答でしょ。


「これからだよ。」


七瀬ぇ~!!!!!


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