その男☆ナルシストにつき!!
「…ねぇ、どうしても乗らなきゃダメ?」


それとなく聞いた。


「ダメ!!せっかくのデートだろ?まぁ、元はオレを信じてなかった伊吹が悪い。」


信じろって言うほうが無理だし。


「ほら、写真でも撮られたら大変でしょ?」


説得するしかない。


「アニキの時みたいに、気分転換でとか言っとけばいいじゃん。」


なんて前例を作ってしまったんだ。


自分が情けない。


「黒崎が…。」


「大丈夫。今日も借りますって連絡したら、どうぞって言ってたから。」


そこまで手を回していたの?


「ジェットコースターなら付き合うし、お化け屋敷だったら守ってあげるからさぁ。」


にっこり笑った。


「却下!!」


グイグイと手を引っ張ってく。


約束に近づくにつれ、段々と手に汗なんか握っちゃってるし。


「じゃあ、あたしも却下!!」


逆ギレもいいところ。


「なんで?貞操の危機とか考えてる?オレよりアニキの方に危機感持て。」


「じゃなくて。貞操の危機なんて思ってないし。むしろ、そっちの危機の方だったらまだ許せる。」


それくらい無理なんですけど!!!!


「へぇ~、以外。これから密室なのに、大胆発言だね。」


顔を覗き込みながら笑ってる。


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