その男☆ナルシストにつき!!
「だから、それ自体が無理なんだって。」


ピクピク顔が引きつる。


「なんで?…まさか、観覧車乗れないの?」


「…。」


ギュッと唇をかみ締めながら、コクンとうなずいた。


「絶叫系乗れるのに?」


「絶叫系は、一瞬だからいいけど。高所恐怖症なの。…脚立にも乗れないくらい。」


ここで弱味をさらす羽目になるとは。


絶対に笑われる。


「……かわいい所あるじゃん。」


笑顔でギュッと抱きしめると、お姫様抱っこ状態で観覧車に乗せられた。


周りのみんなは見てるし。


注目浴びたらまずいのに…。


恥ずかしくて顔は赤くなってく。


「ちょっと待って!!!誰が乗るなんていったの?」


「乗せちゃったもの勝ち。」


得意げに笑うな!!


「最低!!!!」


ゆっくりと観覧車は動いてく。


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