その男☆ナルシストにつき!!
たしか、この観覧車一周15分はかかるはず。


15分なんて耐えられないし!


「ほら、夜景がきれいだよ。」


窓の外を指差した。


「動かないで!!」


このちょっとした揺れでさえ怖いんだから。


だから、七瀬のひざの上から降りられないのに。


「大丈夫だって。」


「大丈夫じゃない!!」


涙目だよ。


「かわいいなぁ。」


顔を覗き込んでくる。


「動かないで。喋らないで。」


ギュッと七瀬にしがみついた。


ポロポロと涙が出てくる。


「まだ3分も経ってないでこれって、てっぺんに行ったらどうなるの?今日は、上空は風あるみたいだし。」


楽しそうに笑っちゃって。


「イジワル!!最低!!」


キッと七瀬をにらんだ。

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