その男☆ナルシストにつき!!
「それ、犯罪。」


その言葉と同時くらい。


グラン


って、一瞬だけ大きく観覧車が揺れた。


怖くてしがみ付くしかないのに。


言葉も出ない。


それなのに、甘いキスだった。


観覧車が回ると同じ時を刻んで。


ゆっくりと静かに。


ドクン

ドクン

ドクン


鼓動だけは早くて。


普通だったら激しく感じるキスなのに。


恐怖感がエッセンスとなって、甘味なキスに早代わり。


10分なんて時間を感じさせなかった。


七瀬の唇が離れた時には、もうすぐ地上に降り立てるところまで観覧車は回ってた。


キスをしたことを怒りたかったのに。


怖かったのとキスされた衝撃で、頭の中は真っ白。


ボーっとなってて。


だけど、顔だけは赤くて熱くなってる。


涙なんていつの間にか止まってたし。


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