その男☆ナルシストにつき!!
「ヤダ。黙ってて言ったのに、黒崎に喋った過去があるから。」


あのゴミ事件のとき。


「それは、伊吹の身を心配してでしょ?」


「じゃあ、今度は何?」


不信感120%


「だって、恋やつれって顔してるんだもん!!」


口を尖らせるな。


「恋やつれって…。佐井にも変なこと言われたし。」


ため息混じりに、ボソッと一言。


「佐井って後輩の?」


聞こえてたか。


地獄耳?!


「そう。メールしてる顔が、恋してるみたいにニヤけてるって。」


「お相手は?」


目が輝いてる。


「秘密。…恋なんて出来るわけないでしょ?」


呆れ顔。


「やっぱり、恋してるんじゃん。」


ニカッと笑った。


「どこをそんな風に捕らえれるわけ?」


「全部。恋してなければ、相手を隠す必要もないし、できないって諦めてるから。」


「諦めてるんじゃなくて、できないでしょ?現実的に。」


「そうかな?恋するのは自由だと思うけど?」


「自由って…。」


あの約束があるのに、そんなのできるわけないじゃん。

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