その男☆ナルシストにつき!!
「あたし…七瀬が好き。」


ギュッとひざの上の両手に力が入った。


顔なんか上げられないし。


もう罵倒されるの覚悟。


「聞いてるよ。マキから。」


「え?」


意外な返事。


マキから聞いたの?


「いつ話してくれるか待ってたのに。いつまでたっても連絡こないし。だから、今日は早く帰ってきたんだよ。言わなかったら、オレから切り出そうとは思って、さっきマキとメールしてた。」


あたしが切り出さないから、ため息ついてたってこと?


マキに報告して。


「黒崎…怒らないの?」


ジッと黒崎の顔を見た。


「怒るわけないだろ?プライベートではな。オレも人の事は言えないから。」


笑ってる。


「マキとはいつ話したの?」


「木曜に伊吹が帰ってから電話で。」


「そっか…。」


「伊吹。今までありがとう。お疲れ様。」


立ち上がると深く頭を下げた。

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