その男☆ナルシストにつき!!
「それが尚吾の唯への気持ちなんだから!!役にはまり込めるじゃない。しっかり仕事しろ!!って、宮元さんが言ってたって伝えておくよ。」


「いや。藤原さんが言うのかと思ってただけで…。それで七瀬を応援て?」


「宮元さんが、役作りのためにやったことかもよ?ってね。」


「そんな…期待持たせてどうするんですか?」


「どうもこうも。そこからは七瀬がどうするかだろ?だいたい、無事にクランクアップできなかったらどうする?スキャンダルにでもなって、映画の公開できなかったら?それを考えて欲しい。」


分かってるよ。


そんなの。


でも、期待持っても辛くなるのは同じだし。


期待させた分、落ちた衝撃は大きいのに。


「七瀬がかわいそう。」


「宮元さんも、七瀬が好きなんだね。」


「好きって…。」


どうしてそこに持っていくかな?


「同じように、七瀬を苦しくならないように守ってるから。ロミオとジュリエットみたいだね。」


「全然話が違いますよ?あれは、引き裂かれるお話だし。」


「好きなのにくっつけないのがさ。」


「それは…そんな事より、莉南さんと結婚しないんですか?」


話をすりかえた。


そうじゃなきゃ、あたしの心が持たない。

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