その男☆ナルシストにつき!!
「……マネージャーって?」


関係ないことまで聞いてる。


「橋沢幸樹(はしざわ・こうき)だ。知名度はないけど、これからって感じのヤツ。」


「ふ~ん。」


答えられなかった。


考える思考能力さえなくなってる。


「七瀬と伊吹の事があったから噂レベルだし、売名って可能性もあるから。事実関係が分かるまで隠してた。」


「じゃあ、なんで今話したの?」


「亀本がイロイロと探ってるんだろ?この話が、どこから漏れるか分からないから。」


どうして黒崎が、そんなに苦しそうな顔するの?


苦しいのはあたし。


…あれ?


苦しいなんて感情すら出てこないや。


真っ暗な世界しか見えなくて。


心の中まで真っ暗で。


全てが一瞬にして消え去ったみたい。


泣きたくても、涙さえ出し方を忘れちゃったし。


「自業自得じゃん?!」


笑うしかない。


馬鹿みたいに大きな声で笑った。


「伊吹…?」


黒崎はビックリしてる。

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