その男☆ナルシストにつき!!
あたしの何気ない一言で、あの約束を思い出しちゃった。


マキが結婚できる唯一の条件。


マキは結婚するまで知らなかった。


あたしと社長で交わされた約束。


…契約に近かった。


だから、あたしはあの時、全てを捨てたんだ。


この会社で、死ぬまで働くんだって。


今の会社に入れたのもマキのおかげだし、犠牲なんて思ってもいなかった。



「大丈夫だよ。だってあの約束は、勝手にあたしが社長とした事だから。もう、あの約束の事は話さないでいよう?あたしは今のままで、十分幸せだからさ。」


ニッと笑ってVサイン出した。


「…伊吹がいいなら。でも、本当に辛くなったら言ってね。私だって、それなりの覚悟は結婚前からしてるんだから。」


Vサインを出した手をギュッと握り締めてくれた。


「うん。大丈夫だよ。」


そのまま話は変わって。


産まれて6ヶ月のマキの子供の話になった。


マキの作ったご飯を一緒に食べて帰ってきた。


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