その男☆ナルシストにつき!!
「じゃあ、なんで美坂が七瀬の名前を出したの?」


「みんな知らないって突っぱねたんだ。美坂からすれば、父親なんか売れてる芸能人だったら誰でもいいんだろ?」


「それで、七瀬の名前を出したって事?やってないのに?」


「だろうな。同じ事務所だし。仕事の関係もあるから、押し切れると思ったんじゃん。この写真使って、既成事実作っちゃえばな。」


「藤原さんは?」


「そりゃ、お怒りモード。美坂は解雇だし、逆に最低女ってことを記事にさせるって。」


そうすればイメージダウンってより、勝手に利用されたかわいそうな七瀬に仕立てられるって作戦か。


「そっか…ごめん。早とちりして。」


ぺコッと頭を下げた。


「いいよ。おかげで久しぶりに伊吹に会えたから。」


嬉しそうに微笑んだ。


「じゃあ、あたし仕事あるから帰るね。これからも頑張って。くれぐれも、スキャンダルにはならない遊びをするように。」


ニッコリ笑うと、クルリと後ろを向いた。


「ありがとう。やっぱり、伊吹は何かあると来てくれるな。会いたくなったら、スキャンダル起こそうかな?」


笑いながら言ってる。


「もう来ない!!」


「そう言って、いつも来てくれるじゃん。」


「絶対に来ません!!」


今回は、どうしても許せなかっただけで。

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