その男☆ナルシストにつき!!
「黒崎はね、マキと結婚してるの。」


「嘘だろ?」


相当、驚いてるわね。


そうでしょ?


関係者しか知らない。


黒崎と私。


マキと宮元と社長しか知らないもの。


他に漏れたら、どこから話を流されるか分からないからね。


「本当よ。マネージャーとなんて、事務所も本人もイメージダウンでしょ?それも苦渋の選択でね。」


「なんの苦渋だよ?」


「今の宮元みたいに、マキは結婚なんか諦めてたの。でもね、相当なストレスで声も出なくなって、引退説まで流れちゃって。」


「そういえば、そんなような噂が流れてたな。」


「だから、事務所の一番の稼ぎ頭だってことで、渋々、社長が納得したの。その条件が、宮元が黒崎と結婚したことにするなら、マキの結婚を認めるって言ったの。それと、マキのマネージャーから黒崎を外すこと。」


「じゃあ…。」


「そうよ。本当の仮面夫婦。もし、マキと黒崎の関係がバレるようなことがあったら、即座に離婚て条件でね。だから、宮元は結婚してないし、黒崎とは偽装がバレないように、たまに一緒に住んでる程度。だから、宮元の妊娠なんて絶対にない。」


「契約結婚は?」


「ある意味、契約結婚ね。地味で冴えない女だから、縁なんかないって承諾したんだけどね。そういう事情だから、宮元は自分の結婚も恋愛も全部できないの。」


さあ、後は七瀬がどうするかよ?


段々と、七瀬の顔色が戻ってきた。


「オレが聞いた話は…。」


「そんなの、宮元がマキや黒崎の結婚を守るためについた嘘。」


「騙されたってこと?」


ピクリと眉間が動いた。


あら。


怒っちゃったかしら?

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