その男☆ナルシストにつき!!
確かに。


昨日も、嘘をついてたことは怒らなかった。


それに…


いつも七瀬は、あたしを気遣(きづか)ってくれてた。


一緒にいると怒られるからって、根回ししてくれてたり。


契約結婚の話しも、城金兄には言ってなかった。


「それでもあたしは…。」


「いい加減にしなさいよ!!いつまで悲劇のヒロインでいるつもり?!」


大きな声がエントランスに響いた。


「悲劇のヒロインてなんですか?」


どこをそうに思ってるわけ?


「マキも黒崎も、今まで鳥かごに入れてた宮元を放してあげようとしてるの。それを怖がって理由つけてマキ達に恩を売ってるだけじゃない?」


「違います!!あたしは…。」


どうして言葉に詰まっちゃったの?


あたしは、人の幸せを壊したくなんかない!!


って言えばいいのに。


「あたしはなに?七瀬が好きなんでしょ?だったら、みんなが応援してくれてるんだから、それに甘えたっていいじゃない。応援してるみんなは、それを望んでるのよ。」


そこまで、考えたことなんかなかった。


あたしは、条件ばかり考えてて。


みんなの本当の気持ちなんか見てなかった。


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