その男☆ナルシストにつき!!
伝わらない想い

お願い!!


間に合って!!


電車の中で祈ってた。


時間的には、もう始まってるけど。


アンコールまでには着いて。


扉が開いたら、すぐに走り出せるように、ずっと扉の前に立ってた。


あと、5駅…


4駅…


3駅…


2駅…


1駅…


着いた!!!


急いで電車を降りると、ホームを駆け抜けた。


駅を出ると、坂道を駆け上って…。


なんとか、アンコールには間に合うかも。


会場近くになると、喜びが一瞬にして戸惑いに変わった。


人混みがすごくて。


会場に入れなくても、雰囲気だけ味わいたい人たちで溢れてて。


どうやって、入り口まで辿り着けばいいの?


あっちこっちで、取材とかしてるし。

< 273 / 310 >

この作品をシェア

pagetop