その男☆ナルシストにつき!!
「そう言ったんだけどな。スキャンダルのこと、気にしてるんじゃん?あの日、それがなかったら伊吹が来たんじゃないかって。」
「…それは。」
行ったんだって言いたい。
でも…。
「マキちゃんから聞いた。事務所にもいなかったって。」
ほらね。
もう遅いんだよ。
「うん。あたしは、キチンと答えたよ。」
みんなと七瀬の気持ちに。
ただ、届かなかっただけ。
「そうだな。ありがとう。」
七瀬が立ち上がって、スッと目の前に手を差し出した。
「これからも頑張ってね。今度は、ファンとして応援してるから。」
あたしも立ち上がると、手を差し出して握手した。
七瀬の手は、こんなにも温かかった?
優しくて…
力強くて…
握手してるだけなのに、抱きしめられてるみたいな感覚。
手を離すと、うつむいたまま七瀬をよけて通路に出た。
だって涙が出てきちゃって。
諦めた七瀬に見せられないよ。
急いでトイレに駆け込むと、声を押し殺して大泣きした。
こんなにも七瀬が好きになってるのに。
巻き戻せない時間に、苛立って悔しくて。
どこにもぶつけられない気持ちを、流しだしたかった。
「…それは。」
行ったんだって言いたい。
でも…。
「マキちゃんから聞いた。事務所にもいなかったって。」
ほらね。
もう遅いんだよ。
「うん。あたしは、キチンと答えたよ。」
みんなと七瀬の気持ちに。
ただ、届かなかっただけ。
「そうだな。ありがとう。」
七瀬が立ち上がって、スッと目の前に手を差し出した。
「これからも頑張ってね。今度は、ファンとして応援してるから。」
あたしも立ち上がると、手を差し出して握手した。
七瀬の手は、こんなにも温かかった?
優しくて…
力強くて…
握手してるだけなのに、抱きしめられてるみたいな感覚。
手を離すと、うつむいたまま七瀬をよけて通路に出た。
だって涙が出てきちゃって。
諦めた七瀬に見せられないよ。
急いでトイレに駆け込むと、声を押し殺して大泣きした。
こんなにも七瀬が好きになってるのに。
巻き戻せない時間に、苛立って悔しくて。
どこにもぶつけられない気持ちを、流しだしたかった。