その男☆ナルシストにつき!!
アンコール~Side七瀬~
本当に、あの日はいなかったんだ。
確認して来いって、藤原さんにチケット渡されたけど。
怖くて本当のことなんか言えなかった。
仕事上っていえば、わだかまりも残らないだろう…。
今度はファンとしてか。
諦めるなんて言ったけど、そんなの出来ないくらい惚れてるのに。
本当に、気持ちの整理をつけるしかないか。
♪♪~♪
「アニキ。どうした?」
「台本忘れていったからさ。…どうだった?」
「…台本くらいで、電話なんかしてこないだろ?気になってたなら、そう言えよな。」
「ごめん。たまには兄弟で飲むか?」
「ああ。それもいいな。」
「じゃあ、七瀬のマンションで待ってるよ。」
「分かった。すぐに帰るよ。」
電話を切ると、深いため息をついた。
アニキは何でもお見通しだな。