その男☆ナルシストにつき!!
耳元で甘く囁いた言葉が、引き金となって。


ポロポロと涙が止まらない。


うつむきながら、小刻みに肩を震わせた。


「……七瀬?」


ゆっくりと七瀬の腕を解いた。


クルリと七瀬の方に振り向いた。


パッと顔を上げると、ニッコリと笑って。


「あの日、あたし…しっかりと七瀬の気持ちを受け止めたんだよ?」


ギュッと七瀬を抱きしめた。


「…伊吹?」


今度は七瀬が固まってる。


「だってあたし、ずっと七瀬が好きだったから。」


チュッ!!!


軽くキスをした。


目をパチパチさせながら、唇を押さえて。


ビックリしてる七瀬。


「……ずっとって…。」


こりゃ~、頭の中が真っ白だな。


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