その男☆ナルシストにつき!!
「う~んとね。七瀬がむか~し莉南さんとスクープされた時、ショックで引きこもりになるくらい前から。」


ニッコリと笑って、七瀬の顔を覗き込んだ。


そうなのだ、あたしが引きこもった理由がそれ。


昔、七瀬と莉南さんが手を繋いでる写真が出て。


ショックで引きこもっちゃったくらいのファンだった。


「ちょっと待て?引きこもってたのって、中学生のときだよな?」


やっと把握したか?


「いや~、叶うものだね。」


さっきの涙が嘘みたい。


いたずらっ子のような笑顔を浮かべてる。


「まさか…全部計算してたのか?」


今度は、七瀬の顔が引きつってる。


「まさか!!マキと黒崎と藤原さんは知ってたよ。でも、こうなるなんて、誰も予測不可能だったし。」


ホント。


偶然が重なっただけで。


だれも、こうなるなんて思ってもなかった。


藤原さんなんか、相手にされないって笑ってたんだから。


黒崎なんかもっとヒドイ。


「思ってるのは自由だ。夢は好きなだけ見てろ。」


とか言っちゃってたし。


だから、みんなも引き際は良かったんだけど。


あたしだって、こんな結末なんて想像してなかったし。


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