その男☆ナルシストにつき!!
憧れてるだけで良かった。


でも、最初は七瀬のナルな性格に呆れたけどね。


もっと、誠実かと思ってたから。


「なんか、素直に喜べない。」


戸惑ってる。


そうだろうな。


あたしだって、七瀬の立場だったら戸惑うもん。


「でも、まだ最大の難関が残ってるよ?」


「そっか…。社長だ。」


「それは、舞台挨拶が終わってからじっくりね。」


「うん…あぁ…。」


まだ何か考えてる。


「ごめんね。隠してたつもりはなかったの。言う必要ないと思ったから。恥ずかしいでしょ?ファンですなんて言うの…。キャラじゃないし。」


ジッと七瀬の顔を膨れながら見上げた。


「っとに…。藤原さんにも、文句言わなきゃな。」


そう言いながら照れてる。


「じゃあ、文句言われる前に、会場に戻った方がいいよ。」


七瀬の背中を押しながら、せかすように非常口から出た。


「待て。やっぱり納得いかない。」


振り返り、あたしの手を掴んだ。


「だから、ごめんて言ってるじゃん。」


口を尖らせた。

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