その男☆ナルシストにつき!!
なんか、こうしてるとデートしてるみたい。


なんて、不謹慎な事思っちゃったり。


だいたい、相手は世界の城金翔龍よ?!


あたしは結婚してる身なのに。


いけない。いけない。


ブンブンと首を振って、変な妄想をかき消した。


「どうしたの?宮元さん。」


妄想バレた?


「何でもないです。」


「そっか。」


目の前のイカだけが、あたしの妄想を見てたわね。


「そういえば、最近は弟さんどうしてます?」


何を会話していいか分かんなくて。


出したくない話題だけど、思わず聞いてしまった。


「韓国に映画の宣伝に行ってるんじゃないかな?アイツも悪いヤツじゃないんだけどね。」


弟思いのその笑顔。


キュ~ン…


胸が締め付けられていく。


待って!!


恋しちゃいそう…。


「そうですか?」


声は平常よね?!


「ああ。ちょっとヒネくれてるだけだよ。いつも俺と比較されてきてるからさ。」


こんなパーフェクトなお兄ちゃんいたら、比較されて仕方ないと思うけど。


だいたい、ヒネくれてるだけで、あんな上から目線にはならないでしょ?


「そうなんだ。」


としか、答えようがない。


「なんか、黒崎さんが宮元さん選んだの分かった気がするよ。」


「なんですか?いきなり。」


「ごめん。ほら、弟が初めて会ったとき、ひどい事を言っただろ?」


ホント、ひどすぎだし。


「いつもの事ですから。」


当たり障りなく答えた。

< 33 / 310 >

この作品をシェア

pagetop