その男☆ナルシストにつき!!
「大丈夫ですから。頭を上げて下さい。」


城金兄の顔を覗き込んだ。


「宮元さん、いつも迷惑掛けてごめん。」


切なそうに頭を上げた。


「いつもだなんて。悪い事したのはあたしの方だし。気にしないでください。」


週刊誌の件も、七瀬の件も…。


城金兄は、何も悪くないのに。


そんなこと言われちゃったら、どうしていいか分かんなくなっちゃうよ。


「そんなことないよ。宮元さんには、本当に感謝してるし。」


ここまで城金兄に言われたら、七瀬の事を許すしかないじゃん。


きゅんと胸が切なくなっていく。


「そんな。あたしこそ、忙しいのにありがとうございました。」


頭を下げた。


「いいんだ。また、元気な宮元さんに戻ってくれるなら。」


「はい。」


頭を上げると、元気よく答えた。


「じゃ、オレすぐにアメリカ戻らなきゃだから。」


…アメリカに戻る?


帰ってきたばっかりなのに?


「戻るって…。」


「やっぱり、謝るならちゃんと顔が見たかったから。」


笑顔で手を振って帰って行った。


うそ!?


わざわざ謝るために帰ってきたの!!?



< 49 / 310 >

この作品をシェア

pagetop