その男☆ナルシストにつき!!
やっぱり!!


城金弟だ!!!!


「黒崎さんて、昔スカウトされて蹴ったんですよね?」


なんで弟がそんな事知ってる??


「まぁね。芸能人なんて、いつ仕事なくなるか分かんないだろ。先の見えない仕事は好きじゃないんでね。」


「だからなんですか?黒崎さんの担当する人って、売れないヤツいないんですよね。」


「そんな事は無いよ。七瀬のマネージャーの藤原だって凄腕じゃないか。」


「そう、女版・黒崎ですね。でも…意外でした。凄腕の黒崎さんの奥さんがこんな地味な人だったとは。」


……地味。


確かに地味ですよ。


あなた達みたいに華やかな世界の人から比べたら。


本当の事とはいえ、なんかズバッと言われると腹立つな。


あたし、顔引きつってないかな?


斜め下を向きながら、こっそりと顔に手を当てて確かめた。


「でも、黒崎さんが選んだ人なんだから、磨けば光るタイプとか?」


そう言いながら、ジッと兄が顔を覗き込んできた。


ちょっと待って!!!


そんな素敵な顔で、あたしの顔を覗き込まれたら、キュン死にしちゃうよ~!!


顔が熱いけど、赤くなってないかな?


確認したいけど…


キレイな顔が近すぎて、金縛りにあったみたいに動かない。


「磨いても光るタイプじゃないだろ。」


ボソッと一言つぶやいたのを聞き逃さなかった。


お~と~う~と~~~~~~~~!!!!!!!


心の中で、右ストレートが飛んだね。


WINって表示まで見えて、歓声まで聞こえた気がした。


「中身がズバ抜けていいんだろうね。」


優しいよ兄。


お世辞でもフォローしてくれるなんて。


ホント、名実共に完璧だわ。


それに比べて弟は…


典型的な芸能人の本性って感じ。


「…で、宮元に用事あったんだろ?」


黒崎が本題に戻してくれた。


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