その男☆ナルシストにつき!!
「ありがとうございます。」


棒読みでも、とりあえずお礼を言っておくか。


って…なに?


いきなり??


背後に人の体温を感じる。


チラリと視線を背中に向けた。


な…七瀬!?


何で抱きついてるわけ!?


口は驚きすぎてパクついてるのに。


両手がパン粉だらけで使えない。


なんにも抵抗できないじゃん!!


「ちょっ…なにしてんのよ?!」


あたしの精一杯の言葉の制止もシカト。


首筋につぅ~っと舌の感触が這(は)ってる。


「ひゃぁっ!!」


悲鳴にも近かった。


ビクンと体が反応して。


背筋から一気に腰まで痺(しび)れて。


ガクンっと腰の力が抜けた。


七瀬の腕からスルリと床にへたり込んだ。
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