その男☆ナルシストにつき!!
「けっこうです。教え込まれるなら、お兄さんにお願いしたいくらいです。」


ここは、キッパリと拒否っておかないと。


「…ふん。やっぱりお前もアニキか。」


急に冷めた口調で言うと、部屋にこもっちゃった。


ムカつかれたかしら?


誰だって七瀬なんかより、城金兄の方がいいに決まってるじゃん。


おかげで、変な事されずにすむからいいか。


なんて楽観的に考えてないとやってられないわ。


さっさとご飯を作り終わると同時に、七瀬が部屋から着替えて出てきた。


「じゃあ、あたし会社に戻るから。」


急いでバックを持って家を出ようとした。


「いらない。映画の本読みあるから外で食ってくる。捨てといて。」


捨てといてって…?


じゃあ、何のためにあたしに作らせたの?


こっちは、仕事まで嘘ついて抜け出したっていうのに。


テーブルの上に鍵だけ置くと、そのまま七瀬は出て行った。


「もったいないじゃん!!片づけくらい自分でやれ。」


テーブルの上のご飯にラップを掛けると、急いで会社に戻った。


鍵を置いていったはいいけど、どうやって返そう。
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