その男☆ナルシストにつき!!
七瀬と向かい合って座ると、頬杖つきながらボーっとご飯を食べ終わるのを待ってる。


眠くて目は開いてるけど、頭は寝てる状態。


「お前も食え。」


スッと目の前に箸でトンカツを一切れ差し出した。


「やだ。その一口がデブの素。」


プイッと視線だけそらした。


「元から細くないだろ?」


なんですと?!


確かに、七瀬の周りの女の子みたいに細くないですよ。


お世辞でも、細いから大丈夫とかないわけ???


『ちゃぶ台返し』ならぬ『テーブル返し』したいくらい。


星一徹が降臨しそう。


「ほら、口開けろよ。」


ピタッとトンカツが唇に当たる。


七瀬の顔を見ると、ニッコリ笑ってる。


ちょっと待った!!


なぜ笑ってる?


怖いんですけど。


ドキン…

ドキン…


急に緊張しちゃってるんですけど。


そうだよ。


七瀬の性格を抜けば、イケメンに、ア~ンしてもらって。


こんなマンガみたいなシチュエーションなんてない。


七瀬の視線が痛いくらい眩しい。


手がジンワリと汗ばんでくる。


どうしよう…

どうしよう…?

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