その男☆ナルシストにつき!!
緊張に耐えられなくてギュッと目をつぶり、パクッとトンカツを食べた。


トンカツをほお張りながら目を開けると、まだ七瀬が笑ってる。


体中が熱くなってきた。


まさか、顔赤くないよね?


変な勘違いされたくないし…。


「はい。デブ確定!!」


誇らしげな七瀬。


目を丸くして固まるしかない。


完全にからかわれてる。


「ひどくない?」


ゴクリとトンカツを飲み込むと、口をとがらせた。


「オレの事、カッコイイと思っただろ?」


うわっ!!


確かに思ったけど、自分で言うか?


やっぱり七瀬はナルシストだったか…。


呆れながら、ふと七瀬の横に置いてある台本が目に入った。


「ねぇ、この台本て…。」


「ああ、今度出るやつ。」


「嘘でしょ?!何の役で??」


あたしの食いつきに驚いて箸が止まってる。


「知ってるのか?この作品。」


「知ってるも何も、ちょっと台本見せて!!」


台本を手に取ると、パラパラとめくりだした。


結構、書き込みがしてある。


へぇ~、ちゃんと役作りとか考えてるんだ。


意外かも。


「おい、人の話を聞いてるのかよ?」


パッと顔を上げた。
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