その男☆ナルシストにつき!!
「不倫ねぇ。」


パチッ。


七瀬と目が合っちゃった。


「あたしは、違うからね。」


ボソッと言った。


変に突っ込まれて誤解されてもイヤだし。


「未遂だけどな。」


イタタタタタ…


墓穴掘ってるみたい。


当たってるだけに、言い返せないじゃん。


「で、原作読んでないわけね?」


話を変えて、これ以上突っ込まれないようにした。


「台本読み込めば分かるだろ?」


「甘い!!だいたい、尚吾って人物が分かってなさすぎ。」


ピシャリと一言。


「一般人が、役者にダメ出し?」


ピクリと眉毛が動いた。


「あたし熱烈な作品ファン。役者がどう思うかじゃなくて、観客やファンがどう思うかでしょ?しかも、あたしマキのコネで、先生に直接会ったことあるし。」


自慢げに上から目線。


「マキと作家のどこに接点あるんだよ?」


鼻で笑うな!!


「先生もマキもお互いがファンだったらしくて、ライブのチケット送ったら楽屋に来てくれたんだって。その時、あたしも楽屋に呼ばれて会わせてもらったの。」


完全に自慢状態。


ビルの3階から見下ろすくらいの優越感。


「へぇ~。」


聞き流すな!!


…あれ?


ちょっと待って?

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