その男☆ナルシストにつき!!
写真をバラ撒かれるのと、キスして帰るの。


どっちが我慢できる?


みんなに迷惑掛けたくない。


ただそれだけで、今日まで奴隷生活してきた。


だったら…。


クルリと振り向くと、七瀬の前に膝立ちで座った。


ギュッと目をつぶると、チュッとホッペにキスをした。


「どことは言ってないんだから、コレでいいでしょ?」


泣きそうな顔をしていたかもしれない。


「子供じゃないんだからさ。」


その言葉と腕を引っ張られたのは覚えている。


その後が一瞬すぎてわけが分からない。


「んんんんん…っ!!!」


言葉なんかでなかった。


掴まれた腕の痛さと、息もできないくらいの激しいキス。


痛くて苦しくて身動きできない。


それは、長い時間に感じた。


パッと七瀬の腕が離れるけど、あたしの体は固まって動けない。

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