その男☆ナルシストにつき!!
「気にしないでください。」


そんな、城金兄にコーヒー入れてもらうだなんて。


トトロに会った気分。


ってくらい、絶対ありえない。


顔は平静を装えているよね?!


テーブルの上に置いてくれたコーヒーをジッと見つめていた。


お持ち帰りして、冷凍庫で永久に保管したい。


「そういえば、七瀬から話は聞いたよ。」


ニッコリ笑いながら隣に座った。


「いつ?何をですか?」


ビックリして城金兄の顔を見た。


まさか、もう写真の事バラしちゃった?!


「なんか、今度の映画の役作りを手伝ってくれて、台本まで一緒に読んでくれているらしいね。」


なんだ、そんなことか。


ホッと一安心した。


ん?ちょっと待て?!


「どうして知ってるんですか?今日帰ってきたばかりで…。」


「たまに、七瀬から電話あってさ。毎日遅くまでつき合わせちゃって、黒崎さんに悪くないかなって。」


そんな心配するくらいなら、夜中とか仕事中に呼び出さなきゃいいのに。


「そうですか。そんな心配してる素振りなかったですけど。」


上手く言葉を選んだ。


「ああ、七瀬はああ見えて根は真面目だから。」


どこが真面目なんだか!!


真面目な人が、あんな事しないでしょ?


一瞬だけ城金兄から顔をそらして、声にならない言葉を発した。


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