その男☆ナルシストにつき!!
「お礼言う筋合いないです。」


パソコン画面を見てる振りして、キッパリと答えた。


「差し入れいらない?」


「差し入れ?」


パッと七瀬の顔を見た。


七瀬の手には、コンビニの袋。


七瀬が差し入れなんて、怖いんですけど。


「徹夜なんだろ?」


七瀬に付き合って、何日徹夜だったか。


お忘れですか?


言いたいけど、ここで文句言い合って体力使うのももったいないし。


「しばらくはね。」


適当に答えた。


「疲れると、甘いもの欲しくなるだろ?」


袋の中から、プリンを取り出して机の上に置いた。


「こんな時間に食べたら太るし。」


完全に拒否。


気持ちは嬉しいけど、キスの一件で素直には喜べない。


「分かった。」


珍しくものわかりいいじゃん。


隣のデスクからイスを持ってくると、横に座ってプリンを開けだした七瀬。


なんだ、自分で食べるんじゃん。


「ゴミはちゃんと片付けてね。」


ゴミ箱を指した。


「ほら、食え。」


あたしの口元に、プリンの乗ったスプーンを差し出した。

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