聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
やばいやばいやばい!!
水の上へ。
息をしに。
水面へ――!!
ゴボッ!!
もがけばもがくほど、体は言うことをきかず。
伸ばした手は水面に届くこともなく。
どんどん遠くなる水の上でのぞきこむミクちゃんの顔が歪んで見える。
え?
ウソだよね?
オレの……見間違いだよねぇ?
今、笑わなかった?
ゴボボッ!!
息が大量に外へと放出し、限界が近づき始める。
ああ、こんなことなら天使様と離れるんじゃなかった。
無礼講なんて浮かれるんじゃなかった。
兄貴の言うこと聞いて、水になんか近づくんじゃなかった。
遠くなる意識の中で、オレは誰かの声を聞いた気がする。
『マリア!!』