聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
ピタリとお二人の足が止まり、じろりとオレは見下ろされる。
っていうか、この身長差。
まぢむかつくんすけど。
「話してないの、おまえ?」
「話す暇がないの、勉強とトレーニングで」
「なるほどね~」
って、納得すんな!!
ちなみに付け足すと『勉強とトレーニング』の他に『学祭練習』ってのがありますよ!!
「『召喚主』って若松先生のことなんすか?」
オレの質問に二人は顔を見合わせると、自動販売機のあるちょっとした休憩所に人気がないのを確認し、そこにオレを押し込めるようにした。
「バルバトスがあの学園に出没したのはおそらく、若松が悪魔と取引したせいだ」
「でも、なんでその先生が襲われるんすか?」
オレの質問に、ウリエル様が苦笑いした。
「取引の条件ってね、大抵召喚主の『命』とか『魂』なの。で、おそらく若松雄太という男はね、怖くなって逃げ出したと推測できる」
はぁ。
逃げ出したんですか?
じゃ、追われますね。
「そ、追われる」
「ここに来るってことですか?」
オレの質問に今度はミカエル様が頷いた。
「召喚主との取引を成立させ、実体を持つことがヤツの望みだろうからな」