聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
「ウリエル!!」
「つーか、人使い荒い!!」
文句言いつつ、ウリエル様が札を狩人の方向に向かって投げる。
壁に張り付いた札から七色の光が飛び出して部屋中に広がる。
相変わらずベッドの上の先生はガタガタ震えながら布団を引きあげた。
「召喚する」
短く言われ、ぐいっと顎を持ち上げられる。
オレが女子ならトキメキますが。
あの。なんつーか。微妙?
天使様の顔が近づいて、オレの唇に軽く触れる。
触れた瞬間に、全身を熱い波みたいなのが駆け巡って、口から外へと噴き出していく。
「ジジィッ!! 軍団率いて外のラッパ隊をどうにかしろ!!」
頼むんじゃなくて命令です。
アロハシャツの似合う素敵シルバー戦士はそんな天使様に「仕方ない」とあきらめモードで、続くじーさま、ばーさま連中にてきぱきと指示を出す。
「リミット解除する」
第三矢をウリエル様は札を投げつけて押し返す。
部屋の壁や床がごっそり穴をあけるのに、なぜかそこに立っていられる不思議空間。
「だから結界はってあるの!」
ウリエル様は苦笑いした。