聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫

札がぺたりと若松先生のおでこに張り付き、若松先生の身体を卵の薄皮みたいのが包み込んだ。


あれ?
あの皮、確か隼人も入ったような。

プニプニしてるけど、なかなか頑丈で。
やっぱ、『結界』ってヤツだったのねー。


ってオレ!!
悠長にんなこと行ってる場合じゃないじゃん!!


顔のない狩人悪魔が怒りに満ち、口もないのに咆哮が聞こえる。

敵意と憎悪がぐっしゃぐしゃになったオーラが、真っ黒にむき出しになっている。


嫌だな、なんか。
すげーやな予感がする。


悪魔が闇色のマントを翻す。


ビュン、ビュンッとマントの裾から黒い液体が飛び散り、辺りを溶かし、焦がし、抉り。


って、そのひとつがオレにー!!


「バカテンシン!! 手に持ってるのはなんだ!!」


そそそそそそうだった!!


お鍋の蓋に身を潜ませる。


ジュワンッという音を立てて、鍋の蓋が焦げる。



これ、顔に喰らったら……お婿に行けない。
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