聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫

「これでここには入れないだろう」

「だな」


そう言うと二人は小さくため息をついた。


なんか、嫌な予感がまたしますけど。



「戻るぞ、テンシン」


翼をばさりと広げ、オレに手を差し伸べる。



「んじゃ、オレはラファに報告、あとこの本も没収しとく」


いつの間にやら古めかしいごっつい分厚い本を手にしたウリエル様がそう言った。


「頼む」

「りょーかい」


にっかりと白い歯を見せ笑うウリエル様を残し、オレの身体はすっぽりと天使様の翼の中に納まって。



あまりのいい香りと心地のいい体温になぜか眠気に襲われて。




そのままメルヘンの世界へ旅立っちゃった。
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