聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
「ああ、六号館だ。そう、そこだ」
ちらりと窓の外を覗きこんだ後、天使様は携帯を閉じる。
それからオレを見ると『迎えに行け』というように、クィクィと外を指さした。
オレも窓に寄って外を見る。
ボブスタイルの黒髪に、眼鏡という知的絶対美青年がこちらを見上げている。
つーか、すでに。
黄色い声が飛んでます。
「ラファエル様、はやっ!!」
思わず出た言葉に天使様の鉄拳が飛んでくる。
「名前、出すな」
つーか。
殴らんといて。
「早く行け」
オレはしぶしぶ部屋を出て、外で待機中のラファエル様を迎えに行く。
思うけど。
瞬間移動できるんだから。
部屋の中へ瞬間移動してきてくれよ。
そうしてくれりゃ、オレが天使様に凹られるなんてことなくなるのに。