聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
「契約そのものがもう危機的状況にありますからね。このままだとバルバトスは地上で実体を持てません。実体を持つためにはより強く、より上質な魂を取り込むことが不可欠となる。そして、ここにぴったりな上質の魂が三つもあります」
って。
狙われる人が三人もいるってこと?
「って、誰っすか?」
オレの質問に、ミカエル様とラファエル様は顔を見合わせ、同時にため息をついた。
「ボケですか?」
とラファエル様がミカエル様に質問した。
「ボケなら救われる」
とミカエル様が返す。
つーか。
視線をオレに向けたまま言ってるってことは、オレのことなんすよね?
「えっと……もしかして、その一人が……オレ……なーんてことないっすよねぇ?」
おずおずと尋ねるオレ。
すると、二人の眉間に深いしわができた。
目が……怖すぎですけど、お二人ともに。
「もしかしてじゃなくてもあなたです」
「バカめが……」
あー。
聞くんじゃなかった。