聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
天使様方がはたっと足を止めるもんだから、ぼんやり歩いていたオレはその背中に思いっきりぶつかる。

「……ぃでっ!!」

「ぼんやり歩くな、バカ者が!!」

「はい……」


つーか、ここ瘴気濃いからオレ、めっちゃ苦しいんですけどね。

ちらりと横を見る。

隼人は余裕ブッこいた顔してる。


「あー、オレ。おまえと違って霊感持っとらんし」


つーか、おまえがほんとにうらやましいよ、隼人君。
代わってくんねぇ?


「頑張れ、真理矢」


見捨てやがった。



「おいっ、少し黙れ!!」


黙ってますけど……心の中の声止めろってことっすか?



天使様がこっちに痛い視線を送ってくる。


はいはい。
表のお口もチャック。
心のお口もチャックね。


口を閉じると瘴気の霧を縫うように、二階からピアノの音が聞こえてきた。
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