聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫

「琴音はなんだったの? 悪魔がどうとか言ってたよね?」

「悪魔に精神を時々乗っ取られてたんですよ。で、完全に乗っ取られそうになったところを彼女の身体から引き離したという……で、申し訳ないのですが、お二人、これ飲んでもらえます?」


話に割って入ってきたガブリエル様がそう言って、懐から出した小さな小瓶を二人の前に差し出した。

虹色に輝く怪しい液体に二人の顔は曇っている。


そりゃ、あんな液体。
化学実験用の液体にしか見えないだろうよ。


「これ、何ですか?」


遠山先生の質問にガブリエル様はにっこりと人好きのする笑顔を浮かべて見せた。

あっ。
超営業スマイルじゃないっすか、それ?



「『天の秘薬』です。一時的ですが、才能が爆発します」


意味分かりません。

『才能が爆発する』っていう意味が分かりません。


二人も同じ意見らしく、二人して同じ方向に首を傾げている。


「申し訳ないのですが。悪魔との戦いは終わってません。むしろ今からが本番で。しかもこちらは人手が圧倒的に足りません。ですから、お二人には申し訳ないのですが、お手伝いをお願いしたいと思います」


『申し訳ない』とか言ってますけど。
どうもそんなふうに聞こえないのはオレだけっすかね?
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