聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
「記憶を消させてもらった。悪魔にとり憑かれた彼女のことなど覚えていないほうがいい。足手纏いがこれ以上増えられても困るからな」
全く天使様はわざわざそんなかわいくない言い方するんだからなー。
もっとさ。
優しく言えばいいじゃん。
『ここにいたほうが安全だから』って。
損してるよなー、この性格。
「なんか言ったか、テンシン?」
またしても、鬼のような形相がオレに向けられる。
オレはブンブンと頭を振って見せる。
部屋を出ようと背を向けるオレ達に、またしても「ちょっと待て」と声がかかる。
「オレ達の才能ってどうやって使うんだ?」
その質問はごもっともです。
オレも知りたい。
天薬飲んだはいいけれど、どうやってその力を発揮して悪魔と戦うんでしょうか?
ちゃんとレクチャーしないといけないっしょ?
「慣れろ」
「は?」
「実戦で慣れろ」
鬼教官か、あんたは。