聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
ほら今も……
オレ達を庇うように天使様は前線に立つ。
その背中にかじりつきたくなるこの衝動が……はっきり言って怖いわ、オレ。
「ガブ、ヨハネ。おまえらと遠山ペアはバルバトスをやれ!! サタナキアは我らがやる!!」
「4対5だよ~、ミカちゃん」
「おまえが二人分動け!」
「ボク、サポートが基本スタイルなのにぃ」
「うだうだ言ってやる気がないなら、その名、主に返上しろ!」
「……本気出すと危険だと思うんだけどねぇ」
こりこりと頭を掻きながらガブリエル様はため息をついた。
その時、オレ達に向かってバルバトスの闇色の矢が放たれる。
「弓勝負なら負けませんよ」
そう言うとガブリエル様は一枚羽を抜き取って、左手に握った。
羽根はすぐに銀色に輝く弓に姿を変え、その弦を引くガブリエル様の右手には光の矢がはっきりと姿を見せていた。
バルバトスの矢に向かって、ガブ様の矢が放たれる。
それは甲高い金属音を立てて、矢に衝突し、消滅する。
「第二矢来るぞ!!」
天使様の声に隼人がいち早く動いた。
呆然とする先生とワコちゃんを守るように、その場から引き離す。